フローとストック

更新間隔ずいぶん空いてしまいましたが、少しずつペースを戻していきたいと思います。(汗)
少し前に話題になった「資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言」を今更ながら読んでみました。

終戦直後の日本の総懺悔ってこんな感じだったのかな。「生きるための経済学 〈選択の自由〉からの脱却 (NHKブックス)」の時にも感じましたが、自分が信じていた理論体系が銀の弾丸ではなかったと分かったとしても、それまで信じていたことを全否定するのは極端に振れすぎというのが、私の読後感です。
確かに現在の経済学が取引の分析がベースになっているからか、フロー偏重・ストック軽視が行き過ぎていると思うことがあります。P/L重視、B/S軽視で一見資本効率が良さそうに見えながら、今回のような危機に際して破綻を招いたり、資本の劣化で経営そのものが成り立たなくなったりしていることから、フローの見方とストックの見方のバランスを再考する必要があるでしょう。でも、かつての日本でよく言われたような、ストック重視、フロー軽視まで巻き戻すのは、ちょっと戻りすぎ。
経済学では与件として扱われることの多い資本そのものをどのように分析するのか。現在直面している問題を見ると、改善の余地は大いにありそうですが。経済学ではなくて経営学の範疇に入るのかもしれませんけど。