2008-01-01から1年間の記事一覧

1930年代再び

政治・経済の状況がだんだん1930年代に似てきているのがいやな雰囲気です。大正デモクラシーの自滅が昭和初期になにを引き起こしたのか、思い起こさずにはいられませんでした。この国の民主主義は再生できるのでしょうか?そう願わずにはいられません。

文学教育の前にすることがあるのでは?

梅田氏が「水村美苗「日本語が亡びるとき」は、すべての日本人がいま読むべき本だと思う。 - My Life Between Silicon Valley and Japan」で取り上げて以来、「日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で」がブログ界で話題になっていますので、私も早速読んでみ…

良くある悲劇の物語かな・・・

未読のまま埋もれていた「生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)」が発掘されたので、毀誉褒貶の激しい本書を読んでみました。自分と異なる意見の持ち主の本を批判的に読むのも面白いですからね。タイトルだけで見ると「生命とは何か」を突き詰めた科学エッ…

オバマ大統領誕生ですね

事前予想通り順当にオバマ氏が大統領選に当選しましたね。近年では最悪の状態を引き継ぐ形で大統領に就任するだけに、厳しい政権運営が続くでしょうが変革で立て直すことを期待しています。それにしても何かと黒人初と報道されていますが、人種、出自で差別…

生物、社会等をシステムとして捉える

今回の金融危機などで"collateral damage "の可能性が事前に見過ごされてしまうのはなぜかと思ったところから疑問が生まれたのですが。なぜ発生したのか、どのように対策すればについていろいろ議論されていますが、すれ違いも多々見られます。心理、社会、…

Study? Research?

科学の四象限について - 赤の女王とお茶をで、研究活動の分類について考察されていますが、日本で研究という言葉が定着する過程で、本来異なった意味合いの概念が混同されているように思えます。英語では"study"と"research"という異なる言葉で表現されてい…

朝三暮四

経済政策の有効性の議論って、経済政策で人々の期待が変えられるかという問題だと理解しています。 麻生首相、3年後に消費税増税 解散は当面先送りの意向 - MSN産経ニュース 今景気対策します、でも3年後には消費税増税しますでは、それぞれの政策に関わる…

無謬性、行為の自由

今回の金融危機によって市場をベースとした資本主義に対しても疑念を呈されていますね。そしてその理論的バックグラウンドである新古典派経済学も防戦一方といった感じです。新古典派経済学者はフリードマンを代表としてリバタリアニズム(wikipedia:リバタリ…

一旦沈静化すると思われたものの

欧米の公的資金注入で一旦沈静化すると思われた金融危機ですが、いまだにトップニュースになっていますね。予想以上に早く新興国に飛び火してしまって、10年前を思い出してしまいました。金融危機では信用収縮が進んでいく過程で、基本的に債務国である新興…

ソロモンの指輪

最近ドーキンス博士の本を読んだり、人の行動に影響を与える遺伝子が分かってきたという記事を見たりした影響なんですが、動物行動学を確立したコンラート・ローレンツ博士の「ソロモンの指環―動物行動学入門」を読んでみました。ソロモンの指環―動物行動学…

危機だと思いこんでいただけ?

昨日こんなエントリーを書きましたが、やっぱり素人が経済について語るのは危険なのかなあ。田中秀臣氏のブログの記事、「「よくある不況」論と金融危機をめぐる四つの神話 - Economics Lovers Live」で、ミネアポリス連銀のエコノミストが論文「Four Myths …

確かに対症療法に過ぎないけど・・・

ネタフルさんの病院で「ショック」は「急な刺激」ではないという記事を見て、公的資金注入に対する批判を連想してしまいました。 今回の金融危機における公的資金注入は確かに対症療法に過ぎないでしょう。でも、公的資金注入が無意味だというのは、出血多量…

「退化」の進化学

「「退化」の進化学―ヒトにのこる進化の足跡 (ブルーバックス)」は人類の進化過程を比較解剖学によって説明しています。ユニークなのは「退化」という視点から「進化」を見ていることです。魚類の時代から原人まで、現在の人類の器官に備わっている器官の構…

日本でもリスクテイカーが増えた?

金融危機のニュースが毎日のごとくトップに来るとは10年前の日本を思い出しますね。今のところ大恐慌再びは避けられたようにも見えますが、まだしばらく余震は続きそうです。前回と比べて、今回も暗いトーンの報道がほとんどですが、次のようなニュースが出…

エンジニア?医者?

最近の経済情勢からマクロ経済論戦が盛んになっているようですが、素人からは不毛としか思えない論戦も見られます。Mankiw教授のエッセーで「科学者とエンジニアとしてのマクロ経済学者」というものがありますが、マクロ経済学に対する期待を思うと、実践と…

疑似科学批判とポストモダン批判

一時期話題になった「水からの伝言」ですが、最近あまり話題にならなくなっていたので、ようやくブームも下火になったかと思っていたんですがね。黒影氏の「幻影随想: 関東地区女性校長会が激しくやばい件」を見て、まだブームは去ったといえない状況のよう…

2000年前のグローバリゼーション問題

近年加速しつつあるグローバリゼーションですが、その流れに関して毀誉褒貶が激しいですね。現在グローバリゼーションに関して指摘されている問題、別に目新しいものではありません。経済のグローバル化反対論では、富裕層への富の集中と中間層の凋落の問題…

摩擦ゼロの資本主義

かつてインターネットが経済活動の中に急速に普及して行く段階で、ビル・ゲイツ氏が「ビル・ゲイツ未来を語る」の中で唱えた摩擦ゼロの資本主義というものを唱えました。ビル・ゲイツ未来を語る作者: ビル・ゲイツ,西和彦出版社/メーカー: アスキー発売日: 1…

世間では明るいニュースとして取り上げられましたが

今年は日本出身の方がノーベル物理学賞、化学賞を相次いで受賞して、受賞者の方にはまずはおめでとうございますと申し上げておきます。とはいえ、私は日本の研究環境の現状を考えると素直に喜べませんでした。その点については下村氏もふれていましたが、冬…

破壊と再生

最近気が重くなる出来事多くて、ネタは有ったものの更新がまたまた止まってしまいました。一旦止まると、再開にちょっと気力がいるのは分かっていたのですが(汗)。 世間でも10年前を思い出してしまう暗いニュースが続きましたね。まだ予断は許さないものの、…

我々はどうして今のような存在なのか

最近周りでいろいろ有って、ここの更新もまた滞ってしまいました。やはりまとまった文章を書くのは精神的な体力を消耗しますので、余裕が無いときにはちょっと難しく。 自由意志にかんして「誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか」、「自由は進化す…

専門家は間違える人!?

昨日に引き続きちょっと専門家不信について考えてみました。 専門家というのは結局意志決定をする人でもあります。マニュアルとかの指示通りにこなしていける仕事に就いている人を普通は専門家とはいいませんよね。何らかの不確実性、選択肢間でのトレードオ…

専門家と非専門家を別つもの

情報・知識ならネットにあふれかえっているのもあって、最近は専門家不信が蔓延しているようです。私から見ると、専門家に対する過度の期待への反動のように見えます。 少なくとも私の考えている専門家というのは、何かを知っている人、出来る人だけではなく…

確率的思考の難しさ

確率で考える、確率でコミュニケーションをとることがいかに難しいか、特に結果が深刻な場合の困難さに直面して、自分の気持ちを整理したいという思いから「確率的発想法~数学を日常に活かす」を読み直す。確率的発想法~数学を日常に活かす作者: 小島寛之出…

いい加減再開しないと

はてなダイアリーの更新止まってしまったのは、まあいろいろ理由はあるのですが、Twitterに書くのと比べると気楽にはかけないと思ってしまうのが一つの理由です。でも、途切れるとそのままになってしまうなということで、そろそろ再開したいと思います。再開…

群衆の叡智をしっかり考え直そうとしたら

群衆の叡智が成り立つ条件をしっかり考え直そうとしたら、ちょっと深みにはまってしまいました。社会選択理論とか、社会ネットワーク理論とか、自由意志論とか、実験経済学とか、神経経済学とか、単なるbuzzwordとしてではなく現実に適用しようとするとどう…

経済学者はバルカン人になりたいのか?

経済学では人間の合理性を前提に議論を進めていますが、「誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか」とは何かについてよく分からなくなってしまいました。経済学では理論を理性的に理解して強い意志で実行に移すのが合理的行動であるとされているように…

日本型経済体制の源流

構造改革論議で取り上げられる日本型経済体制の起源は、第二次世界大戦時の戦時経済体制が戦後も存続した結果であるという論調をよく見ますが、そのような体制が成立したのは江戸時代の経済体制にさかのぼることができるというのが、「江戸の経済システム―米…

リバタリアンってストイック

リバタリアンって初めて効いたときの印象と正反対でとてもストイックな主義を抱いた人々だったんですね。新古典派の思想的基盤になっているといわれているリバタリアリズムを良く理解したくて「リバタリアン宣言 (朝日新書)」を読んだ感想です。リバタリアン…

マイクロブログに嵌るのも分かる気が

Twitterとかはてなハイクでちょっと更新していたんですけど、はてなダイアリーは更新間隔空いてしまいました。はてなダイアリーだと、どうしてもある程度考えを纏めてから書かないとと思ってしまいますけど、マイクロブログだと気軽に書き込めるんですよね。…