2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

朝三暮四

経済政策の有効性の議論って、経済政策で人々の期待が変えられるかという問題だと理解しています。 麻生首相、3年後に消費税増税 解散は当面先送りの意向 - MSN産経ニュース 今景気対策します、でも3年後には消費税増税しますでは、それぞれの政策に関わる…

無謬性、行為の自由

今回の金融危機によって市場をベースとした資本主義に対しても疑念を呈されていますね。そしてその理論的バックグラウンドである新古典派経済学も防戦一方といった感じです。新古典派経済学者はフリードマンを代表としてリバタリアニズム(wikipedia:リバタリ…

一旦沈静化すると思われたものの

欧米の公的資金注入で一旦沈静化すると思われた金融危機ですが、いまだにトップニュースになっていますね。予想以上に早く新興国に飛び火してしまって、10年前を思い出してしまいました。金融危機では信用収縮が進んでいく過程で、基本的に債務国である新興…

ソロモンの指輪

最近ドーキンス博士の本を読んだり、人の行動に影響を与える遺伝子が分かってきたという記事を見たりした影響なんですが、動物行動学を確立したコンラート・ローレンツ博士の「ソロモンの指環―動物行動学入門」を読んでみました。ソロモンの指環―動物行動学…

危機だと思いこんでいただけ?

昨日こんなエントリーを書きましたが、やっぱり素人が経済について語るのは危険なのかなあ。田中秀臣氏のブログの記事、「「よくある不況」論と金融危機をめぐる四つの神話 - Economics Lovers Live」で、ミネアポリス連銀のエコノミストが論文「Four Myths …

確かに対症療法に過ぎないけど・・・

ネタフルさんの病院で「ショック」は「急な刺激」ではないという記事を見て、公的資金注入に対する批判を連想してしまいました。 今回の金融危機における公的資金注入は確かに対症療法に過ぎないでしょう。でも、公的資金注入が無意味だというのは、出血多量…

「退化」の進化学

「「退化」の進化学―ヒトにのこる進化の足跡 (ブルーバックス)」は人類の進化過程を比較解剖学によって説明しています。ユニークなのは「退化」という視点から「進化」を見ていることです。魚類の時代から原人まで、現在の人類の器官に備わっている器官の構…

日本でもリスクテイカーが増えた?

金融危機のニュースが毎日のごとくトップに来るとは10年前の日本を思い出しますね。今のところ大恐慌再びは避けられたようにも見えますが、まだしばらく余震は続きそうです。前回と比べて、今回も暗いトーンの報道がほとんどですが、次のようなニュースが出…

エンジニア?医者?

最近の経済情勢からマクロ経済論戦が盛んになっているようですが、素人からは不毛としか思えない論戦も見られます。Mankiw教授のエッセーで「科学者とエンジニアとしてのマクロ経済学者」というものがありますが、マクロ経済学に対する期待を思うと、実践と…

疑似科学批判とポストモダン批判

一時期話題になった「水からの伝言」ですが、最近あまり話題にならなくなっていたので、ようやくブームも下火になったかと思っていたんですがね。黒影氏の「幻影随想: 関東地区女性校長会が激しくやばい件」を見て、まだブームは去ったといえない状況のよう…

2000年前のグローバリゼーション問題

近年加速しつつあるグローバリゼーションですが、その流れに関して毀誉褒貶が激しいですね。現在グローバリゼーションに関して指摘されている問題、別に目新しいものではありません。経済のグローバル化反対論では、富裕層への富の集中と中間層の凋落の問題…

摩擦ゼロの資本主義

かつてインターネットが経済活動の中に急速に普及して行く段階で、ビル・ゲイツ氏が「ビル・ゲイツ未来を語る」の中で唱えた摩擦ゼロの資本主義というものを唱えました。ビル・ゲイツ未来を語る作者: ビル・ゲイツ,西和彦出版社/メーカー: アスキー発売日: 1…

世間では明るいニュースとして取り上げられましたが

今年は日本出身の方がノーベル物理学賞、化学賞を相次いで受賞して、受賞者の方にはまずはおめでとうございますと申し上げておきます。とはいえ、私は日本の研究環境の現状を考えると素直に喜べませんでした。その点については下村氏もふれていましたが、冬…

破壊と再生

最近気が重くなる出来事多くて、ネタは有ったものの更新がまたまた止まってしまいました。一旦止まると、再開にちょっと気力がいるのは分かっていたのですが(汗)。 世間でも10年前を思い出してしまう暗いニュースが続きましたね。まだ予断は許さないものの、…