2009-01-01から1年間の記事一覧

なぜ生物学者で物理学や数学を嫌いな人がいるのか

「理系バカと文系バカ (PHP新書)」を読んで感じたこと。文系理系の距離よりも、理論屋と実験屋の距離の方が遠いかもしれないということです(苦笑)。理系バカと文系バカ (PHP新書)作者: 竹内薫,嵯峨野功一出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2009/03/14メディ…

逆基準性の問題と税の直間比率見直し

「会計学はこう考える (ちくま新書)」を読んで、逆基準性の問題が日本の法人税論議に与える影響が気になりました。会計学はこう考える (ちくま新書)作者: 友岡賛出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/08メディア: 新書購入: 1人 クリック: 5回この商品を含…

コメント欄をゲストコメントに戻しました。

最近、ちょっとした話題だとtwitterに書いてしまうこともあって、ここの更新頻度落ちていますが、「スパムコメント、スパムブログ対策を強化しました - はてなダイアリー日記」という記事をみて、コメント欄の制限をなくしました。まあ、スパムコメントの削…

科学者かそうでないかの見分け方

少し前のエントリーになりますが、まっとうな神経科学者の方々は現在の脳科学ブームにたいしてかなりの危機感を抱いていますね。過大な期待をかけられてブームになって、当然のごとく一般の人の目からは期待はずれに終わって、取り残されたまっとうな研究者…

国による規制、懲罰的賠償請求、どちらを選びます?

「isologue - by 磯崎哲也事務所: ネットによる「国際的制度アービトラージ」の時代とビジネス」を読んで思ったんですが、自由の裏には責任があるわけで。規制緩和と規制強化、それぞれについて自由と責任の問題について考えてみました。 規制緩和の場合 企…

不完全な知識のなかで、どのように最善を尽くすのか

生命科学では日々新たな発見が報告されています。そのことを裏返すと我々人間はまだ生命について知らないことが多すぎるということです。薬害、医療事故に合われた方は本当にお気の毒でありますが、そのような限界の中で医療活動がおこなわれている以上、完…

敢えて社会システム理論に突撃

稲葉慶一郎氏が「稲葉振一郎『理論社会学入門講義(仮)』6月刊行を目指して作業中につき - インタラクティヴ読書ノート別館の別館」のコメント欄で、 申し訳ないのですが、ルーマンは完全スルーです。ハーバーマスさえ軽く触れるにすぎない。まさにルーマンこ…

日本版フェアユースの早期導入を

クリエイティブ・コモンズ・ジャパンが日本版フェアユース導入に向けたアンケートをおこなっていたので、私もアンケートに答えてみました。 <アンケートの目的> 現在、文化庁では、著作権法の改正の1つの重要問題として、コンテンツの創作や利用に大きな影…

社会学のアイデンティティ問題

ちょっと積ん読状態だった「社会学入門 〈多元化する時代〉をどう捉えるか (NHKブックス)」をようやく読み通しました。社会学入門 〈多元化する時代〉をどう捉えるか (NHKブックス)作者: 稲葉振一郎出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2009/06/26メディア: 単…

再開しようと思いつつ…

なかなか更新できない日々が続いていましたが、徐々に落ち着いてきたのでそろそろ更新の方もまめにしようかと。

Zetero良いですね

Marginal Revolutionのエントリーでされていた文献管理サービスZeteroを使い始めてみたんですが、なかなか良いですね。Firefoxのプラグイン入れておくと、ワンクリックでSSRN、arXiv、PubMed、Amazonから文献情報が登録できます。データベースからだけでなく…

ハイデガーと仏教哲学

今更ですが、「ハイデガー=存在神秘の哲学 (講談社現代新書)」を読んで思ったこと。ハイデガーの思想って仏教哲学で論じられていることと非常に類似しているのでは。ハイデガー=存在神秘の哲学 (講談社現代新書)作者: 古東哲明出版社/メーカー: 講談社発売日…

統計学と経済学のあいだ

少し前にyyasuda氏がブログで紹介していた竹内啓先生の「統計学と経済学のあいだ (1977年) (東経選書)」を読んで見ました。統計学と経済学のあいだ (1977年) (東経選書)作者: 竹内啓出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 1977/10メディア: ?この商品を含…

国立情報学研究所のオープンハウスに行ってきました

最近、法化社会へ向かう流れとか、IFRSでプリンシプルベースに変わるとか、人間の努力だけではやりきれなさそうな流れになっていますが、業務として大変だけどシステム化し難しくて結構放置されている課題が有ると私なんかは最近見ています。そこで、いろい…

日本人は本当に訴訟嫌いか?

司法制度改革で日本人の法意識とのズレが批判されたりしていますが、日本人の法意識の定本といえば「日本人の法意識 (岩波新書 青版A-43)」でしょうか。日本人の法意識 (岩波新書 青版A-43)作者: 川島武宜出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1967/05/20メディ…

安心社会のビジネス

前のエントリーで触れたソーシャルビジネスの姿を考えていたら、山岸俊男氏が「安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書)」の中で定義した安心社会を基盤としたビジネスではないかと。安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書…

ソーシャルビジネスって顧客=投資家?

2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏による「貧困のない世界を創る」を今更ですが読みました。貧困のない世界を創る作者: ムハマド・ユヌス,猪熊弘子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/10/24メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 124…

名医って?

Chikirinさんが名医の誤診率について「すれ違う前提 (医療編) - Chikirinの日記」というエントリーをアップしていましたが、私も驚きました。その誤診率の低さに。 それは、ある高名な医師の方が退任することになり、大学で最後の記念講義をされた時のこと…

中等教育でこそ必要では?

「法の世界へ 第4版補訂 (有斐閣アルマ)」は、大学法学部以外の学部で教養科目として法学を学ぶ学生を対象に書かれた本です。法の世界へ 第4版補訂 (有斐閣アルマ)作者: 池田真朗,犬伏由子,野川忍,大塚英明,長谷部由起子出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2009…

群選択の復活ってマルチレベル選択説のことだったのね

先日のエントリーで紹介したデイビッド・スローン・ウィルソンの群選択的な説には、実はちょっと引っかかりを感じていました。最近進化論を援用した議論で、群選択説が復活したとか書かれているのを見たりしていたんですが、復活したと言われているのって、…

思考の枠組みを変容させる読み方

最近の読書法の本といえば、速読・多読系が多いですが、「難解な本を読む技術 (光文社新書)」は難解な本をじっくり読み込む技術を解説した本です。難解な本を読む技術 (光文社新書)作者: 高田明典出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/05/15メディア: 新書購…

Firefox3が軽くなった!

最近Firefoxの重さに耐えられなくなりつつ、便利なアドオン群の魅力もあってChromeを併用しつつ、メインのブラウザとして辛抱強く使い続けていました。アドオンの影響かと思っていたら、「Mozilla Re-Mix: Firefoxのデータベースを最適化して高速化を図るア…

日本の将来・・・

「世界大不況からの脱出-なぜ恐慌型経済は広がったのか」は「世界大不況への警告」の改訂版ですが、今回の金融危機の分析を反映させるために、構成が大幅に変わっていますね。世界大不況からの脱出-なぜ恐慌型経済は広がったのか作者: ポール・クルーグマン,…

ヒトは社会性霊長類?

「みんなの進化論」は、進化論について主に進化心理学の観点から書かれた入門書です。みんなの進化論作者: デイヴィッドスローンウィルソン,中尾ゆかり出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2009/04メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 94回この商品…

裁判官がモデレーターになるのでは?

裁判員制度が始まっていろいろ批判が出ていますが、少数の裁判員が裁判官に代わって裁くと捉えている方がほとんどのようですね。でも陪審員制度と違い、協議の場に裁判官が同席する裁判員制度って、裁判官が積極的にモデレーターとして審理を進めることが前…

なぜ中国ではなくヨーロッパだったのか

先日なぜ社会が崩壊したのかを描いた「文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)、文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)」を読んだのが切っ掛けで、その前作で、なぜ社会によって文明の発展度合いに差が出たのかを描いた「銃・病原菌・鉄〈上巻〉―…

セマンティックウェブはDOAの轍を踏むか?

「株式会社スターロジックの羽生章洋が書いてるブログ:key-valueはデータディクショナリの夢を見るか - livedoor Blog(ブログ)」の中で、DOA(データ中心アプローチ)でデータディクショナリ構築のところを読んで、昔全社データディクショナリ構築プロジェ…

異なる価値観の狭間に

吉川日出行氏がソーシャルメディアの俯瞰図を紹介されていて、全体をざっと眺めてみました。 ソーシャルメディアの俯瞰図(Social Media Conversation Prism)がバージョンアップ:ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦:ITmedia オルタナティブ・…

エイジフリー社会と雇用システム

新書バブルのせいか、少しでも読者の目を引きつけようとするタイトルが最近目立ちますが、「「エイジフリー」の罠 いつでもクビ切り社会 (文春新書)」もその一冊ですね。「エイジフリー」の罠 いつでもクビ切り社会 (文春新書)作者: 森戸英幸出版社/メーカー…

会社の論理と労働者の論理、そして生活者の論理

「雇用はなぜ壊れたのか―会社の論理vs.労働者の論理 (ちくま新書)」は労働問題に関する本で、なかなか興味深い分析をしていると思って読んでみました。労働法の専門家による現在日本が直面している労働問題を論じた書ですが、副題の「会社の論理vs.労働者の…