名医って?

Chikirinさんが名医の誤診率について「すれ違う前提 (医療編) - Chikirinの日記」というエントリーをアップしていましたが、私も驚きました。その誤診率の低さに。


それは、ある高名な医師の方が退任することになり、大学で最後の記念講義をされた時のことだ。その方は記念講義を聴きに集まった多くの教え子達(大半はベテランの医師、研究者)に向かって「今までの自分の誤診率は約14%であった。」と話されたらしい。*1
その話を聞いて会場からはどよめきが起こった。この講義録は大学の記念誌に掲載されたのだが、何かのきっかけで医療関係者以外の人にもこの話が伝わった。そして、その話を聞いた一般の人達もまた、衝撃を受けた。
しかし、最初の教室でのどよめきと、2回目の一般の人の衝撃は少し意味がちがっていた。自らの「誤診率」などというものを調査し公開するという行為自体には両方のグループが驚いた。しかし最初のグループ(医師、医療関係者)は実はその誤診率の“低さ”に驚いていたのに対し、後者のグループは反対にその誤診率の“高さ”に驚いていた、という話である。
私が昔聞いた話はkamezoさんが「名医の誤診率 - PSJ渋谷研究所X(臨時避難所)」で紹介している以下の話でしたから。

有名なお医者さんが引退なさる時、
「誤診率は、何パーセントですか?」と聞かれて、
「60パーセント。」と答えたとか。
つまるところ、40パーセントしか、正解でないわけよね。
でも、ね、そう名医が答えた時、
「ホォ〜」と、みんなが。
つまり、正解が40パーセントでも、すごいわけだ。

(2004.3.23)

この話覚えていたので、誤診率の低さに驚いたわけです。また誤診率については、診療科によっても異なるイメージで受け取られるかもしれません。でもこの話には続きがあって、なぜそれだけの誤診率であっても名医と言われたかというと、重篤な症例に至りそうな兆候を見逃さないからであるという話だったかと。人間には自然治癒力ありますから、大抵の症例では例え誤診で適切な処置が行われなかったとしても治ってしまうんですよね。重篤な状態に至りそうな兆候を早めに見いだして適切な処置を施して、重篤な状態に至ってしまうのを防ぐ、それが名医だと。私もうろ覚えでなので違っているかもしれません。生命についてまだまだ未解明なところが多数ある中で医療関係者は努力されていますから、現代医学について信頼している一般の方ほど、このような話を聞いてショックを受けるかもしれませんね。あいまいな記憶をベースに書いた記事なので、その点はご了承を。