ソーシャルビジネスって顧客=投資家?

2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏による「貧困のない世界を創る」を今更ですが読みました。

貧困のない世界を創る

貧困のない世界を創る

なるほど、慈善団体ではなくあくまでもビジネスとすることで、顧客とのニーズによりかなった方向で運営できるということですか。何を提供したいのかではなく、何が必要とされているかを見いだすのに、商売の基本原理に従うと言うことですね。あと、利益という明確な経営指標がないなかでソーシャルビジネスをうまく経営していくためには、顧客が投資家でもあるという形のガバナンスの存在が必要ではないかと。グラミン銀行の事例を見るとそのようなガバナンスの存在が見受けられます。このあたり、日本で存在した無尽(wikipedia:無尽)とかの仕組みと似ているのかな。まあ、日本の無尽はいまでは第二地銀と普通の銀行になっていますが。
ソーシャルビジネスは日本でも必要とされているはずなんですが、バングラデシュよりも規制の問題で障壁は高そう。あと、このような仕事は公が行うものという意識の存在があるので十分な支持を得ることができるか。これも構造問題の一つ?構造改革論って、本来は新たなニーズに応えたビジネスが盛んに起こるようにして、衰退セクターからいかにスムーズに人・もの・金を移していくかということだと思うんですけど。駄目なものをつぶすということばかりに焦点が当たってしまうのが残念。