思考の枠組みを変容させる読み方

最近の読書法の本といえば、速読・多読系が多いですが、「難解な本を読む技術 (光文社新書)」は難解な本をじっくり読み込む技術を解説した本です。

難解な本を読む技術 (光文社新書)

難解な本を読む技術 (光文社新書)

昔は著者本人もよく理解できてないから難解な本になってしまっているのではと思っていて、哲学系は敬遠していたんですよね。自然科学系の作文技法だと、いかに相手に理解してもらえるかがポイントで、「難解な」というのはそれだけでリジェクトの理由になったりしますし。自然科学でも理論系だとちょっと違うのかもしれませんが。名著とされているものが「難解」と感じるのは、著者と自分とで思考の枠組みが異なっていて、理解するためには自分自身の既存の枠組みを変えなければいけないからだと思い至ったのは、お恥ずかしながらずいぶん後のことです。それ以来、著者はどのような問題意識を持ってこの本を書いたんだろうと確認しつつ読むようになりました。
手法の解説だけではなく、躓きやすいポイントとそれに対する対処法についても触れています。どうも読み進めないと思ったらチェックポイントを確認すると、躓いているところが突破できるかもしれませんね。
私なんかは、著者と同じ頭になる「究極の同化読み」とかはできそうにないです(汗)。それは才能のある方にお任せします(苦笑)。私は、そのような方の成果を利用させてもらいつつ、他分野や他の本との関連の地図を作る「関連読み」、「平行読み」で、自分の関心対象をいろいろな角度から見ていきますので。