セマンティックウェブはDOAの轍を踏むか?

株式会社スターロジックの羽生章洋が書いてるブログ:key-valueはデータディクショナリの夢を見るか - livedoor Blog(ブログ)」の中で、DOA(データ中心アプローチ)でデータディクショナリ構築のところを読んで、昔全社データディクショナリ構築プロジェクトに携わっていた人から聞いた苦労話を思い出してしまいました。実際にやろうとすると、ブログに出ているような話になるわけで:


このホモニム・シノニム・エリアスの除去というのは言われてみれば当たり前のことなのですが、実際にやろうとすると非常に多様な困難に出会えます。歴史ある企業ですと、同じ「単価」という言葉を部門間でばらばらの意味として使っているなどというのは普通にありがちなのですが、新規創業したばかりの会社の場合でも業務がころころと変わるので、その場しのぎでどんどん項目がでっち上げられてしまったりします。このあたり語り出すと色々と恨み節になっちゃいます(笑)ので省略しますが、要するにDDというのは、総論賛成各論反対の代表例になってしまいがちです。
そしてDOAは英語のWikipediaにもエントリーが無いくらい、開発方法論界の黒歴史になっているみたい(苦笑)。そして、データウェアハウスのブームが来たときに、全社データセットに基づいてすべてのデータベースを設計するのではなく、散在するデータベースから、ETLツール(wikipedia:en:Extract, transform, load)で、データ統合(wikipedia:en:Data integration)する方向に向かったんですよね。
セマンティックウェブに対して賛否両論なのは、その歴史の教訓を乗り越えられるか、人によって判断が異なるからでしょうね。DBPediaみたいに、マスコラボレーションによって、かつてDOAが直面した限界が乗り越えられるのか、私も確信が持てないでいます。