日本型経済体制の源流

構造改革論議で取り上げられる日本型経済体制の起源は、第二次世界大戦時の戦時経済体制が戦後も存続した結果であるという論調をよく見ますが、そのような体制が成立したのは江戸時代の経済体制にさかのぼることができるというのが、「江戸の経済システム―米と貨幣の覇権争い」という本。

江戸の経済システム―米と貨幣の覇権争い

江戸の経済システム―米と貨幣の覇権争い

業界団体を通した行政指導が受け入れられたのは、江戸時代における問屋株仲間という同業団体を通した統制の伝統が有ったからという事みたい。そうだとすると、現在の日本の抱える問題は、戦中戦後の問題ではなく、もっと根の深い問題となりますね。
あと、江戸時代において貨幣経済の発達に従って、米本位制の維持が難しくなって、何度も改革によって維持を試みるものの、開国によって最終的に米本位制が崩壊したというのは、金本位制の廃止と似たようなストーリーを感じます。