紛争の戦略

梶ピエールさん(id:kaikaji)とBaatarismさん(id:Baatarism)の、北朝鮮政策に関するトレードオフの考え方が対照的でなかなか面白く読ませてもらいました。
経済学的思考のすすめ - 梶ピエールの備忘録。
テポドンの経済学 - Baatarismの溜息通信
BMDを棄つるの覚悟 - 梶ピエールの備忘録。
国際関係における「真の不確実性」 - Baatarismの溜息通信
梶ピエールさんはスタンダードな費用便益分析(wikipedia:en:Cost-benefit analysis)で考えているように見受けられます。それに対してBaatarismさんはトレードオフを医薬分野で使われたりするリスク便益分析(wikipedia:en:Risk-benefit analysis)で考えているようですね。
経済学的思考vs政治学的思考みたいな感じの流れになっていますが、経済学的思考&政治学的思考みたいな考え方もあるかと。このエントリーを読んでトーマス・シェリング(wikipedia:en:Thomas Schelling)の本を思い出してしまいました。

冷戦の背景にあった経済学的思考が書かれた本な訳ですが、今回の問題はいわば冷戦時代の遺物みたいなものですからね。経済学的に考えるならば、まさにこの本の内容に合致するかと。
まあ、歴史を振り返ってみれば、融和策がかえって高く付いた例(第二次世界大戦)も、強攻策が高く付いた例(ベトナム戦争他)もあるので、実例上げて分析してもなかなか決着付かないでしょうね。