「Science for All Americans」の日本語訳が公開
AAAS(American Association for the Advancement of Science)が中心となってProject 2061という科学教育改革プログラムが進められていることが、「赤の女王とお茶を」のsivad氏の「アメリカの科学教育は76ヶ年計画で着々と進行中。:赤の女王とお茶を」で紹介されていましたが、プロジェクトにおいて目指すべき内容を纏めた報告書が「Science For All American」です。出版物として入手することもできますが、オンラインでも全文が公開されています。
Science For All American
URL http://www.project2061.org/publications/sfaa/online/sfaatoc.htm
Science for All Americans: Project 2061
- 作者: F. James Rutherford,Andrew Ahlgren
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr
- 発売日: 1991/02/14
- メディア: ペーパーバック
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ボランタリーベースのプロジェクトが発足したのですが、「Science For All Americans翻訳プロジェクトが始動しました:赤の女王とお茶を」によると、
なにやら日本語版はすでにどこかに存在しているのだけれど、権利関係のためか(?)表に出てこないのだとか。
という情報がよせられたとか。
翻訳プロジェクト自体は着々と進捗していたのですが、なんと翻訳プロジェクト終了間近(「SFAAの翻訳進捗が95%に達しました。:幻影随想」)になって、本家AAASから日本語版が公開されました。
- Japanese Translation Opens Door to New Audience:AAAS
- Science For All Americans翻訳プロジェクト終了間近:赤の女王とお茶を
- 文科省訳Science For All Americansが公開されました:幻影随想
AAASから公式に配布される報告書は以下のページからダウンロード出来るようになっています。
Science for All Americans(日本語版)
URL http://www.project2061.org/publications/sfaa/sfaajapanese.htm
このページで
To download the Japanese translation of Science for All Americans, click here.
とある文の"click here"のリンクをクリックすれば、PDFファイルがダウンロードされます。英語版は冊子が販売されていますが、日本語版はAAASとの取り決めで、印刷された冊子は限定配布、日本サイドでオンライン公開も出来ないみたいです。多分日本サイドで翻訳したものをAAASに寄贈した形にでもなっているのでしょうか。英語のサイトですとどうしても敷居が高くなりがちなので、本当に呼んでもらいたい人たちに見て貰うにはちょっと残念ですね。なんとか交渉できないものでしょうか。
ちょっと前に、アメリカの専門家は自分の分野へ研究資金を投じてもらうように、積極的に啓蒙書を出すと書きましたが、AAASという団体はその最たるものの一つです。どれだけすごいかは以前savid氏が「日本の理系が敗北するたった一つのシンプルな理由:赤の女王とお茶を」で書かれているとおり。基礎研究に投じられる資金の差はこのような活動の違いがやはり大きいかな。