こっちの方が行動経済学と付けた方が
Neuroeconomics(神経経済学)というネーミングからちょっと怪しげな先入観を持ってしまっていて、今頃になって「誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか」を読んでみました。
- 作者: ジョージ・エインズリー,山形浩生
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2006/08/30
- メディア: 単行本
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神経経済学は、行動主義心理学とゲーム理論が中心になっているようなので、認知心理学がベースになっている行動経済学と比べると、ミクロ経済学とうまくつながりそう。というか、ベースとなる心理学との関係性で言えば、神経経済学を行動経済学といって、行動経済学を認知経済学と言ってくれた方が分野横断的に見たときに混乱しないんですが。「行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)」の中でも神経経済学について行動経済学の新しい領域的な扱いで紹介していますが、行動心理学と、認知心理学での心理というもののとらえ方の違いを考えると、別なアプローチとして扱った方が良さそうです。行動経済学者のなかでも、神経経済学に関心を持つ研究者が多いとのことですが、行動経済学の創始者であるセイラーとラビンが神経経済学と距離を置いているというのも、心理学上の違いが関係しているかもしれません。勝手な推測ですが。