InnoCentiveの可能性

ちょっとネットで話題になっているので、「ブームだったのに… 「バイオポスドク」に受難の季節 (1/3ページ) - MSN産経ニュース」を読んでみたんですけど、私の大学時代よりもさらに状況は悪化しているようですね。神経ペプチドの構造解析で、テクニシャン含めて40人位の体制組んで、食肉解体業者と契約して牛や豚の脳から流れ作業的に神経ペプチドを精製抽出したというペーパー見て、日本じゃ無理だよねというため息をつきあったことを思い出してしまいました。iPS細胞の山中教授が注目を集めましたが、New York Timesの記事で:


In 1996, he returned to Osaka City University, bringing with him a batch of knockout mice. But as an assistant professor in the pharmacology department, he received little financing and just a single seat in a shared laboratory.
“I grew so depressed from the lack of support that I considered quitting,” he said. “No one understood me.”
In 1999, his career got a break when he was hired by other universities, including Kyoto University in 2004, that were willing to give him a laboratory and more money. At about the same time, he said, he visited his friend’s fertility clinic. That visit inspired him to find a way around the moral issues that had bogged down stem cell research, not just in the United States but also Japan, where the Education Ministry put tough restrictions on embryo use.
との部分でため息をついた研究者の方も多かったようですね。
昔はもう早めに海外脱出を図るしか手が有りませんでした。いまはInnoCentiveとかで、ライフサイエンス系の研究テーマを解決してくれるチーム募集を仲介していて、うまく解決したチームには募集をかけた企業から成功報酬が出されます。あくまでも研究にこだわりが有るのであれば、早めにチャレンジしてみると活路が見いだせるかもしれません。InnoCentiveの具体的な仕組みは良く理解していないのですが、成功報酬になっているようなのでバイオのウェット系だと研究資金をどう確保するかが気になりますが。
ドラッカー氏が知識社会への移行を提唱していましたが、知識を活かした仕事をしようとすると、日本という国へのこだわりは捨てなければいけないというのは…。歴史を振り返れば幕末でも同じような状況が有りましたが、時代はまさに幕末といった雰囲気でしょうか。