市場経済は・・・

何か前のエントリーを読み返して見ると反市場経済論者のように見えますが、チャーチルの以下の言葉の


Democracy is the worst form of government except for all those other forms that have been tried from time to time.
(実際のところ、民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば、だが)
民主主義を市場経済、政治形態を経済形態に置き換えたのが、私の基本的なスタンスです。
市場が効率的に機能するためには「群衆の叡智」のところで上げた

  • 意見の多様性
  • 判断の独立性
  • 意志決定の分散性
  • 意見の適切な集約

を満たす必要があると思いますが、それを成り立たせるのは容易ではありません。前提条件を整備せずに市場経済に任せてもうまくいくわけでありません。ただ、群衆の集まりがスーパースターが導くよりも良い結果をもたらしうるという点で、凡夫に過ぎない私は市場経済に対して期待を抱いています。そのあたりは「市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える") (叢書“制度を考える”)」を読むと面白いかも。

市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える

市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える") (叢書“制度を考える”)

市場に関する議論で皮肉に満ちているのは、「市場を創る―バザールからネット取引まで (叢書“制度を考える") (叢書“制度を考える”)」の「第17章 市場の命令」にある、

私のメッセージは、次の2つに皮肉に要約できる。貧困を嫌悪している政治的に極左の人々は、貧困を固定化する政策を支持している。市場を尊重する自由放任主義の熱狂的な支持者たちは、市場の崩壊を引き起こすシステムを提唱している。

という点ですね。マイクロファイナンスが評価されたり、今回のレバレッジバブルの崩壊に際して規制の見直しがなされつつあると言うことは、現実にはうまくバランスが取られつつあるということでまだ希望が持てます。